ヤスデの生態
【ヤスデのエサ】
ヤスデは植物質を食べます。とくに落ち葉や腐葉土などについた真菌類を食べ、消化した後はフンとして排出することから、自然界では植物を分解する役割を担っています。
【好む場所】
腐った植物などをエサにするため、ヤスデが好むのは、山や林の落ち葉が集まるところです。落ち葉や腐葉土があれば、街なかの公園や住宅街などにも住みつくことがあります。
【苦手な場所】
ヤスデは、日当たりのよい明るいところ、乾燥した場所を嫌います。鳥やネズミ、モグラ、カエル、トカゲといった小動物はヤスデをエサにします。また、カメムシの一種アカシマサシガメや、沖縄県西表島に生息するイリオモテボタルの幼虫などは、好んでヤスデを捕食することがわかっています。ヤスデをエサとして食べる生物が多いところでは、繁殖しにくい。
【主な活動時期】
4~7月にかけてと、9~10月にかけて繁殖期があります。暑い時期に活発に動き回ります。
【活動時間】
ヤスデは主に日の落ちた後、夜間に活動します。ただし、湿気が多い場所では日中に活動することもあります。
【ヤスデの一生】
幼虫時期を地中で過ごすこともあって、ヤスデの生態にはまだわかっていないことも多く、種や生息環境によっても違います。寿命はおよそ一年で、毎年6月ごろに成虫が姿を見せはじめます。交尾がおこなわれるのは8~10月ごろの暑い時期で、親は産卵後に息絶えます。幼虫は、卵から孵化(ふか)すると脱皮を繰り返しながら次第に節を増やして成長し、翌年6月ごろには7回目の脱皮で成虫になります。
ヤスデによる害
ヤスデには、キノンやシアンを含んだ、いやなにおいのする液を分泌する種があります。エサにしようと近づく捕食者を退ける防御のためで、肌に触れたり目に入ったりするとかぶれることがあるため、注意が必要です。
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